バドミントンが教えてくれた、もう一つのレッスン
「運動不足を解消したい!」そんな軽い気持ちで始めたバドミントン。最初はとにかくシャトルを打ち返すのが精一杯で、上手な人のプレーを見てはため息をついていました。でも、数ヶ月続けてみて、バドミントンサークルが私に教えてくれたのは、スマッシュの打ち方やフットワークだけじゃないんだなって気づいたんです。 最初の目的は、もちろん技術の向上。もっとラリーが続くようになりたい、ドロップも決めたい、なんて思っていました。でも、それ以上に得たのは、人とのコミュニケーションの取り方でした。毎週集まるサークルには、学生さんから定年退職された方まで、本当に色々な人がいます。職業も年齢もバラバラなのに、コートに入ればみんな同じ「バドミントン仲間」。初めて会う人でも、ペアを組んで「ナイスショット!」「ドンマイ!」なんて声を掛け合ううちに、あっという間に打ち解けていく。これって、普段の生活ではなかなか経験できないことなんですよね。 特に印象的だったのは、初対面の人とダブルスを組んだ時。最初は遠慮がちだった私も、相手のプレーを見ながら「次は私がカバーしよう」「ここは前に詰めよう」と自然に考え、声に出して指示を出し合うようになりました。試合に勝つ喜びはもちろんですが、それ以上に「みんなで協力して一つになった」という感覚が、すごく新鮮で楽しかったんです。 バドミントンって、ミスをしても、次のラリーで取り返せばいいし、仲間がフォローしてくれることもあります。人生と一緒で、一人で抱え込まずに助け合いながら進むことの大切さを、遊びながら学べた気がします。 今では、バドミントンは単なる運動ではなく、私にとって大切な「もう一つのレッスン」になりました。ラケットを握るたびに、人と繋がる楽しさや、協力することの喜びを再確認しています。運動不足解消のはずが、心まで豊かになるなんて、想像以上でした。