第34回 活動報告

あおぞらの輪
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【活動報告】第34回 あおぞらの輪

 いつもはすらすらと本の紹介をしてくれる常連の参加者さんが,今日は珍しく「分からなかったです!」と1言。しかも、嬉しそうに。哲学者デリダの「脱」構築論と正義の本らしいのだが。本当に,よく理解できないまま,読み進めていったらしい。何について話しているかは分かったが,具体的な話の内容は分からない。そんな話を聴いて,哲学者たちの議論の場所にはいるが,難しい言葉が飛び交う会議の様子をただただ見つめている彼が,頭の中に浮かんだ。
 どうやら今日は,本を紹介することを通して「本の供養」をする回にしたかったらしい。紹介が供養になるのかと,今回も新鮮な気付きをいただいた。

 今日の対話のテーマは,「言葉」ではなく「物」を輪の真ん中に。色とりどり?4つの毛玉ボール(いつも対話で使っているやつ)を、密密にして置いてみる。そして私は「このあとどうなると思う?」とみんなに投げかけた。これら4つの毛玉が,このあとどのように動き出しそうか?(あるいは変化しそうか?)ちょっとした「お話づくり」のつもりで設定したテーマだった。

 勿論,予想通りにいくはずもなく。ふいに後ろを突かれるような,ハッとさせられるような,自分だけでは思いつきもしない「見方」がたくさん提示されることになる。できる限り多くの眼差しで,できる限り多くの方向から,時間いっぱい多様な「見方」を考える時間だったように思う。

・(4玉それぞれに)人格があり,家族なんかもいるのかなと思った。
・力関係がありそう。(特に赤っぽい毛玉が強い?)
・井戸端会議してそう。
・きゅっと集まって,怯えているように見える。
・毛糸の長さがばらばらのやつ(赤っぽい毛玉)は伸びやかな性格で,毛糸が短く切り揃えているやつ(灰色っぽい毛玉)は固い性格をしているような気がする。
・毛糸の長さがばらばらのやつを切り揃えたい。
・どのくらいの価値があるだろうか?
・何円だったら,この毛玉を買おうと思うか?
・お店に並び,ショウケースに飾られていたら,買おうと思うか。
・自分の子どもにねだられたら,買っちゃうと思う。
・カーペットの虫が,毛玉に付着してるのを想像した。あのなかにも生命が溢れてる。
・ただの毛糸の屑ならなんとも思わないのに,毛玉になった途端に「可愛く」なるのは何故か?
・今,こうしてみんなから見つめられて,怯えるようにきゅっとなって(あるいは活動の一貫として投げられて)彼らは幸せなのだろうか。
(もし,「幸せ」という概念があるならば)
・もし,宇宙人が何も知らずにこの4つの毛玉を見たとしたら,一体何を思うのだろうか?
・この先活動が長く続いたら,校長室にある歴代の校長先生たちの写真みたいに,何代も続いていく。

 以前忘年会でお世話になった「あしゅべ」さんのお店からのインスタ写真が届いた。どうやら店内で「小さなお花見」が体験できるらしい。早速,足を向ける。最近御縁のある福島のお酒をいただきながら,常連さんとお話の「花」を咲かせる時間に幸せを感じる。サンドウィッチマンがやってるカロリー重めの定食屋の特集が店内に流れる。
 ふと後ろをみると一本細みの桜の木の枝が花瓶に飾られている。自分が「桜」であることを主張するわけでもなく,春が来たことを盛大に伝えてくれるだけの存在感がある訳でもない。
 でもそんな桜を観ながら,「あの4玉たちは,今年はお花見するのかな…」なんてことをちょっと考えたりもした。

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