第32回 活動報告

あおぞらの輪
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【活動報告】第32回 あおぞらの輪

 私たちの「脳」には、「遅延ニューロン」というものが生得的に備わっている…らしい。加速する情報の行き来を一時遅らせ、私たちに入ってきた情報を吟味したり考察したりする「間」を与えてくれる、というのだ。より速く、成果を求められる世のなかにおいて、この事実は貴重であるように思える。今日の会も、参加した皆さんにとっての「間」となれたら、これ以上に嬉しいことはない。

 さて、今回は9名の参加だったので、①マインドマップ作成、②読書の輪(おすすめの本紹介)は、3人×3グループの構成となり、特に時間に追われることなく、のんびりとした空気のなかでのスタートとなった。
 うちの班では、内容同士の「関連性」?「繋がり」?が際立つこととなった。最初の発表に掲げた話題が、次の発表で別の観点から語られる。2番目の発表の中で出てきた問いについて、最後の発表のなかで新たな気付きが与えられる。
 たまたま組んだ3人の「本」や関心のある「テーマ」が有機的な繋がりをもって、全員の頭のなかで「面白い!」が深まっていく過程は、ちょいした奇跡と相成った。

 さらに今回、自分にとっても「挑戦」した時間であり、何時間もかけて読み込んだ本を7枚ほどの資料にぎっしり整理をして、目の前の2人に聞いてもらった。12分という一瞬の時間の中で、前の発表で出た話題について触れながら、どれだけこの本の魅力を伝え抜くことができるのか?頭のなかが唸りを上げながら、今までで1番自由に知識で遊んだ気がした。もう1段、自分のなかで「学ぶこと」の深い喜びを知れたようなそんな感覚。本当に、2人のおかげ。ありがたや、ありがたや☺️🙌

 哲学対話のテーマは、「子どもの頃平気だったのに、虫が突然苦手になるのはなぜか?」。前回の会では「神」について語り合い、今回は「虫」について考え合う。一体、日曜日の午前中から何やってんだ…というツッコミは控えてもらって。

・自分の身体や私的空間をいつ侵されるか不安な感覚を覚えるから。
・子育てしていると、「子どものためなら」と嫌な虫でも触れるようになる。プライベートは嫌だけど、仕事の場面なら仕事として追い払うことができる。
・畑仕事をしていると虫が出てきても全然平気。
・蝶やカブトムシは平気なのに、蛾やゴキブリは嫌。蝶と蛾の生物学的な分類は曖昧。
・実際の虫ではなく、私たちのなかの「虫」のイメージが、苦手意識をつくっている?
・小さいころ、蜂に刺された記憶があって、そこから蜂が駄目。過去のトラウマが関係している?
・ムシキングは好きだった。
・虫の起源は宇宙?だから気持ち悪く感じる?
・虫って、人間より圧倒的に弱い。害虫でなければ、一緒にいたって問題はないはずなのに、何故怖いのか?
・チワワが怖い。特に毛がないチワワ。小さな力でもすぐに死んでしまいそうな気がする。
・もしかして、過弱さを恐れている?
・もし、大きな虫が地球で存在していたらどうか?
・学生時代、夜楽器の練習をしていたら、自販機の下から虫が出てくる。音をならすとその場で留まり、練習をやめると自販機に戻っていく。虫が音楽を聴いていると思ったら急に親近感が湧く。
・生ゴミに湧く蛆虫には、不快さ・気持ち悪さがあるけど、分解されつくして土になるとなんとも思わなくなる。
・土の中にだって目に見えない生物がたくさんいる。
・生命感が剥き出しになっているもの、死を連想させるものに私たちは気持ち悪さを感じる?
・数だけでいえば地球は「人間の星」ではなく、「虫の星」。
・人間は動物より虫に近い?
・動物と虫、どのラインから苦手意識を感じるようになるんだろう。

 私たちにとっては、念願の話題に触れられた時間だった。(以前も出してもらってはいたが、そのときは別の話題が中心となった。)いろんな方向からのいろんなアプローチがあるものだ。今日は久しぶりに9人という大人数だったから、いつもより多様な視点に刺激をもらった。
 小さな世界に慎ましく(時には生命感あふれる姿)で生きている彼らに、苦手意識をもってしまうのは一体何故か?それはいつのことだったのか?あともう少しで何かを掴みそう…なところで、今日も時間が来てしまった。

 そういえば、「遅延ニューロン」たちはちゃんと働いたのかしら?

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