7.28『友情』読書会レポ
7月28日(日)。朝から降っていた雨が上がり、じわじわ蒸し暑くなってきた午後。
仙台駅から徒歩7分「BACARO風見鶏」にて、5名の参加者とともに読書会を行いました。
初参加の方が2名も来てくれました。
まずは自己紹介!
はじめに「自己紹介カード」を書いてもらって、出身や好きな本、近況などについて話していただきました。
出身地や最近まで住んでいた…など、岩手県にゆかりのある方が半分以上でびっくり。それぞれ、最近良かった本や映画、お笑いなど…話題が多岐に渡り、盛り上がりました。
仙台駅から徒歩7分「BACARO風見鶏」にて、5名の参加者とともに読書会を行いました。
初参加の方が2名も来てくれました。
まずは自己紹介!
はじめに「自己紹介カード」を書いてもらって、出身や好きな本、近況などについて話していただきました。
出身地や最近まで住んでいた…など、岩手県にゆかりのある方が半分以上でびっくり。それぞれ、最近良かった本や映画、お笑いなど…話題が多岐に渡り、盛り上がりました。
課題本は『友情』!
さて、今回は武者小路実篤の『友情』!
新潮文庫では初版刊行時からの累計発行部数が第6位!という、名作中の名作です。
脚本家野島と新進作家の大宮は厚い友情で結ばれている。野島は大宮のいとこの友人の杉子を熱愛し、大宮に助力を願うが、かねてから大宮に惹かれていた杉子は野島の愛を拒否しパリに去った大宮に愛の手紙を送る。野島は失恋の苦しみに耐え、仕事の上で、大宮と決闘しようと誓う
-----凛乎とした清冽な調子の中に青春期における友情と恋愛との相剋を描いた武者小路文学の代表作である。
いよいよ感想タイム
読んだ感想を一人ずつ順に話していただきました。
(以下、感想の一部をご紹介!)
「この後の展開が知りたい。野島が立ち直っていく世界を見たい。続編が出ていたら、もっと売れたのでは?」
「心理描写が多くて風景描写が少ない。イメージがあまり湧いてこなかった」
「『ハイカラ』と書かれても、今の時代の私たちには具体的には分からない。時代背景によって読む人の感じ方に違いがありそう。同時代に読んでみたかった」
「野島に感情移入した。心の中の描写が多くて、とても面白かった」
「ラブコメのように面白く読んだ」
「“蜂”の話が出てきたが、『上昇』ばかり目指しているのでは。皆、『自分を引き上げてくれる人』に惹かれている。「相応」を忘れている」
「野島さえいなければ大宮と杉子は幸せだったのでは?ふたりの恋愛発展装置として(野島は)いい仕事した」
「野島のせいで恋に火がついた。”火打ち石”のようだ」
「野島の鈍感さが憎めない。『野島ガンバレ!』と思いながら読んだ」
「周りの人物たちが際立ちすぎている。なんで野島はここに入れるの?と思った。自己肯定感が高いのかも」
「最後に大宮へ”感謝した”という一文があり、すごい。恨んで当然なのに、野島がどういう人なのか分からない」
「仲田の考えは大人になると分かる。いろんな恋愛観が学べて楽しい。『恋愛指南書』として書かれたものなのでは?」
「少女漫画っぽい。大宮が主人公ならよくあるパターンだけど、野島という”当て馬”の方から書き始めるのがすごい」
「大宮が野島を本心から認めて評価している。パリまで行っちゃうところに口先だけの友情じゃないことが表れている」
「本当は大宮が一番しんどいじゃないか?」
などなど…
登場人物を「ドラえもん」のキャラクターたちに当てはめたり、「大宮は野島になぜベートーヴェンのマスクを送ったのか?」という問いにみんなで頭をひねったり!
(ベートーヴェンのように苦難を乗り越えるようにという大宮からのメッセージなのでは?という説に)
「こんなにも恋愛に終始した内容なのにタイトルが『友情』!」
作者は「友情とはなにか」を伝えたかったんだろう、と。
もしや友情を突き詰めるとBLになる?など、作品の深堀りがどんどん進んでいきます。
え!「自序」がある!?
ここで作品の冒頭に書かれた「自序」についての言及があり…。
本によっては、この「自序」が載っていないことが発覚し、それぞれの手元を見比べました。
「これを読むかどうかで、その後の作品の読み方が全然ちがうのに!」
休憩時間になっても、まだまだ話は尽きず。
最新の新潮文庫の表紙を見ながら「これが野島?」「こっちじゃない?杉子を見つめてるし」「メガネかけてたっけ?」と意見を交わしたり、大盛り上がり。
今回もまたあっという間の3時間。
「こんなにも深掘りできるなんて、一人で読んでいるときは思わなかった」という感想が出て、これはやはり時代を超えて読み継がれる名作だからこそなんですよね、と、うなずき合いました。
オススメ本紹介は、『クララとお日さま』『このホラーがすごい!2024年版』など。それぞれについて熱く語る方々のお話を聞いていると、どうしても読みたくなってしまう私たちでした。
次回は『雪国』!
次回は8月25日(日)、川端康成のノーベル賞受賞作品『雪国』について語り合います!
今回と同会場を予定しています。
真夏のまっただなかに、まっしろい雪国に思いをはせる、ひんやり読書体験!
はじめての方もどうぞお気軽にご参加ください!
今回と同会場を予定しています。
真夏のまっただなかに、まっしろい雪国に思いをはせる、ひんやり読書体験!
はじめての方もどうぞお気軽にご参加ください!