全部を自分でやらない面白さ。ダブルスの「任せる」を楽しもう
バドミントンのダブルスは、二人で同じコートに立つ遊び。でも、人数が一人増えるだけで、シングルスとは違う面白さが生まれる。自分が打たないシャトルにも出番があるし、一歩動かないことが相手を助ける場合もある。何でも自分で頑張るのではなく、少し任せて、必要なところで動く。今回は、そんなダブルスならではの「二人で分け合う楽しさ」を考えてみたい。
追いかけないことにも、意味がある
シャトルが飛んできたら、とにかく追いかける。バドミントンを始めたばかりなら、まずはそう考えるよね。ただ、ダブルスでは隣にもラケットを持った人がいる。二人とも同じ場所へ走るより、どちらかが打ち、もう一人は次に備えたほうが動きやすいことがある。
ここで面白いのが、打たない時間も遊びの一部になること。相手が打つところを空けたり、返ってきそうな場所を見たり。シャトルに触れていなくても、二人のラリーには関わっている。
もちろん、最初から役割をきれいに分ける必要はない。お互いに遠慮してシャトルが落ちることも、二人で近づきすぎることも考えられる。そんなときは、次の一本で少し調整すればいい。全部を拾うより、二人の間の余白をどう使うか。その視点が加わると、コートの見え方も変わってくる。
短いひと言で、二人の動きがつながる
「任せる」といっても、何も伝えずに待つだけでは、お互い迷ってしまう。真ん中に来たシャトルなら「取るよ」、届かなさそうなら「お願い」。長い説明ではなく、そんな短い合図が助けになる。
大事なのは、立派な声かけをしようとしすぎないこと。毎回気の利いた言葉を探さなくても、まずは自分がどう動くつもりかを伝えられれば十分。打ったあとに相手の位置を見ることも、次の動きを合わせるきっかけになる。
このサークルには、年齢もバドミントンの経験もさまざまな人がいる。自分にとって当たり前の動きが、相手にも同じとは限らない。だからこそ「わかるはず」で進めず、少しだけ伝えることを大切にしたい。言葉が多い人だけでなく、口数が少ない人も一緒に組める。そのための合図だと思うと、声を出すハードルも少し下がりそうだ。
同じペアでも、役割は固定しなくていい
経験者が全部を拾って、初心者は空いたところに立つ。そんなふうに分けてしまうと、二人で遊んでいる感覚は薄くなりやすい。かといって、同じ範囲を同じように守らなければいけないわけでもない。得意なことや動きやすさに合わせて、その都度分けるくらいがちょうどいい。
前に来たシャトルを打つ機会も、後ろから返す機会も、できる範囲で分け合ってみる。うまい人だけが打ち続けるより、二人ともシャトルに触れられるほうが、一緒に遊ぶ面白さを味わいやすい。女性や初心者が多い集まりだからこそ、強い球を打てるかどうかだけで役割を決めたくない。
また、一度決めた分担を最後まで守ろうとしなくても大丈夫。ラリーの途中では立つ場所も変わるし、届く範囲も変わる。細かな作戦より先に、今の相手を見る。それだけでも、決まった形をなぞるのとは違う面白さが出てくる。
点数とは別に、二人だけの見どころをつくる
ダブルスには得点があるけれど、点が入ったかどうかだけでは拾いきれない場面もある。任せたシャトルを相手が返して、その次を自分がつなぐ。一本ずつなら普通の返球でも、二人で続けると別の手応えが生まれる。
そこで、ときどき連係のほうにも目を向けてみたい。例えば、こんなところ。
・真ん中のシャトルで、どちらが打つか伝えられた
・相手が動けるように、進む場所を空けられた
・任せたあと、次の返球に備えられた
どれも、派手なスマッシュほど目立つものではない。でも、できたかどうかを二人で確かめやすいことばかり。相手の返球を「自分ではない誰かのプレー」として見るのではなく、一緒につないだ一本として眺める。そうすると、自分が決めた点以外にも楽しめる場面が増えていく。
頼ることも、コートでやってみよう
普段の生活では、自分の担当は自分で終わらせようとする場面が多い。だからこそ、隣の人に一本を任せ、その間に自分は別の場所に備えるという遊び方は、ちょっと新鮮かもしれない。ダブルスで必要なのは、何でもできる一人になることではなく、二人で続ける工夫だ。
初めての参加で、最初から気の合うペアになろうとしなくても大丈夫。和気あいあいとした雰囲気の中で、まずは短く声をかけるところから始めてみよう。ラケットは借りられるので、持ち物は室内靴だけで大丈夫。当日参加も歓迎している。
次にコートへ入ったら、自分が何本打ったかだけでなく、何本安心して任せられたかも気にしてみてほしい。自分の守備範囲を広げるのとは違う、二人ぶんの面白さが、そこにはある。