ガットは切れるまで使うもの?張り替えから考えるバドミントンの道具管理
ラケットの真ん中に張られた細い糸。ガット、あるいはストリングと呼ばれるこの部分は、シャトルに直接触れるのに、フレームほど注目されないことが多い。「まだ切れていないから大丈夫」と、そのまま使い続けている人もいるんじゃないかな。けれど、ガットは切れた瞬間だけでなく、使っている途中にも少しずつ状態が変わっていく。今回はサークルの主催者として、道具の相談を受けるときに共有したい、張り替えと付き合うための考え方をまとめてみたい。
切れていなくても、同じ状態とは限らない
張りたてのガットも、時間がたつと張力が落ちてくる。打つ回数や保管環境によって変化の程度は違うけれど、「半年使ったガット」と「昨日張ったガット」が同じ感触とは限らないんだよね。交差する部分がこすれて、表面に傷みが出ることもある。
ただし、打球音が変わった、飛びにくく感じた、という理由だけでガットが原因と決めつけるのは早い。打点やシャトルの状態にも左右されるので、大切なのは複数の変化を見ること。以前より糸がずれやすい、交差部分に深い削れがある、打った感触が気になる。そんな兆候が重なったら、ショップで相談するきっかけになる。
張り替えは故障したものを直すだけでなく、使い心地を整えるための選択肢でもある。ただ、違和感がないのにカレンダーだけで急いで替える必要はない。使用頻度や予算も含めて、自分なりの目安を作っていこう。
高く張れば上級者になれるわけじゃない
張り替えを頼むと、何ポンドにするか聞かれる。これは張るときの力の目安で、一般に数字が大きいほど硬い感触になりやすい。でも、強く張るほどスマッシュが速くなる、という単純な関係ではない。
硬めの張りは、狙った位置でしっかり捉えたときの感触を好む人がいる一方、打点が外れたときに扱いにくく感じることもある。飛ばそうとして力んでしまえば、かえって普段の動きを崩しかねない。まず優先したいのは無理なく打てる設定だ。
それから、ラケットにはメーカーが示す推奨張力がある。数字はモデルごとに違うので、友人と同じ設定をそのまま頼む前に確認したい。推奨範囲内でも、フレームに傷みがあれば張り替えに注意が必要な場合がある。状態を見てもらいながら決めるのが安心だね。
種類選びは「何を楽にしたいか」から
売り場には、反発性、耐久性、打球感など、いろいろな特徴を掲げたガットが並んでいる。細いものは反発や打球感を特徴にする製品が多く、太めのものは耐久性を重視する選択肢になりやすい。ただ、素材や構造によっても違うので、太さだけですべては決まらない。
選びやすくするには、商品名より先に困っていることを言葉にしてみるといい。ショップに相談するなら、こんな情報が役に立つ。
・週に何回、どれくらいの時間プレーするか
・今のガットで気に入っている感触と、不満な点
・切れる頻度と、張り替えにかけられる予算
「一番よく飛ぶものをください」より、「週一回の練習で、奥まで返すときに力みやすい」のほうが相談の材料になる。最初から理想の一本を当てようとせず、選ぶ理由を一つ持って試すくらいで十分。評判がいい製品でも、自分の使い方に合うとは限らないからね。
張り替えは、少しずつ変えるほうがわかりやすい
新しいガットを試すとき、種類も張力も一度に大きく変えると、感触の違いが何によるものかわかりにくくなる。比べたいなら変更点を絞るのが基本だ。同じ製品で張力を少し調整するか、近い設定で製品を替えるか。ショップと相談して、比較しやすい形にしてみよう。
受け取った直後の数球だけで判断しないことも大事。基礎打ちでは気持ちよくても、ゲーム中の苦しい姿勢では扱いにくい場合がある。クリア、レシーブ、ネット付近の返球など、いくつかの場面で試したい。
そのときの基準は、派手な一本ではなく普段の打ちやすさ。「強く打てたか」だけでなく、「余計に力を入れず返せたか」「狙った距離に収めやすかったか」も見てみる。道具の調整は、最高の一打を探すより、いつもの一打を支えるために使うと迷いにくい。
切れたときは、そのまま使い続けない
プレー中に一本切れたら、そのラケットで打ち続けず、いったん使用をやめよう。切れたまま残った糸の張力がフレームに偏ってかかる場合があるので、早めの対応が大切になる。残ったガットの処理は、切る順序などにも配慮が必要だ。慣れていなければ自己流で進めず、ショップに確認してほしい。
定期的に遊ぶなら、張り替え代もラケットを使う費用の一部として考えておくと気が楽になる。サークル側でも、予備ラケットの有無や貸し出し条件を案内しておけば、道具のトラブルに備えやすい。ただし、借りられることを前提にせず、まずは自分の一本を点検しておきたい。
ガット選びで目指すのは、誰かと同じ数字や人気商品に近づくことじゃない。自分の練習量、打ち方、予算に合う続けやすい組み合わせを見つけることだ。ラケットの真ん中にも目を向けると、道具との付き合い方はもう少し具体的になるよ。




