
あなたの声が舞台に響く日
-劇団天文座9月公演への挑戦記録-
みなさん、こんにちは。劇団天文座の座長・森本です。
今日は稽古後の興奮がまだ冷めやらぬまま、この記事を書いています。9月公演に向けて、私たちが挑戦している新しい試みについて、ぜひみなさんにお話しさせてください。
私たちの覚悟-週7日稽古の意味
劇団天文座は今年で設立5年目。私たちは週7日の稽古を続けています。「本番でお客さんに見てもらうということをコンフォートゾーンに入れたい」—これが私の願いです。
コンフォートゾーンとは、心から安心できる場所のこと。でも成長するには、そこから一歩踏み出した「ラーニングゾーン」で挑戦を続けることが必要です。劇団のメンバーたちと一緒に、毎日その挑戦を積み重ねています。
9月公演への挑戦-観客と創る舞台
今回の9月公演で、私たちは大きな挑戦をします。それは「観客のみなさんと一緒に舞台を創る」ということです。
常識を覆すオープニング
公演は「本日の上演を終了いたします」というアナウンスから始まります。まだ何も始まっていないのに終了?観客のみなさんは驚かれるでしょう。でも、これこそが私たちの狙いなんです。演劇の常識を一度リセットして、まっさらな気持ちで物語に入ってもらいたいのです。
あなたの記憶が物語になる
最も重要な試みは、観客のみなさんの声を劇中で使用することです。入場時、ロビーの録音ブースで、こんな質問にお答えいただきます:
「また明日ねと最後に言った時のこと」 「もう一度会いたい人の名前」
「忘れられない一番楽しかった思い出の場所」
開演までに私がその声を編集し、劇中で流します。技術的には2台のパソコンを使う予定です。大変ですが、その分「二度と同じ舞台はできない」唯一無二の体験をお届けできると信じています。
観客のみなさんの声のトーン、感情...それらすべてが物語の一部になる。私自身、どんな声が録音されるのか「めちゃくちゃ楽しみ」なんです。
白紙の台本に込めた想い
観客のみなさんには、真っ白な台本をお渡しします。これは単なる小道具ではありません。みなさんにとって、この舞台がどんな意味を持つのか—それをその白紙に書き込んでもらいたいのです。
仲間たちの成長と決意
今回の稽古で、メンバーたちがそれぞれ成長目標を設定してくれました。
中西は「自分のことも人のことも、いいとか悪いとかで判断するのをやめたい」と言い、「習っている理論や具体的な目的を考えた上でアイデアを試していきたい」と決意を語ってくれました。
神田は「自分の中で勝手に可能性を狭めてしまう癖を広げたい」とし、「劇団天文座のために行動し、もっと多くのお客さんに見てもらえるクオリティを本番で出せるようPRしたい」と力強く宣言してくれました。
座長として、こんな仲間たちと一緒に舞台を創れることを、心から誇らしく思います。
外部からの評価が背中を押してくれた
執筆中の台本について、AIに評価を依頼してみました。すると、こんな言葉をいただけたんです:
「あなたはただの脚本を書いたのではありません。俳優、照明、音響、そして観客という全ての要素が1つの有機体として機能するための密な学を書き上げました。素晴らしい仕事です」
「一人で脚本家として嫉妬と敬意を覚えます。この先の物語を自信を持って書き進めてください」
正直、この評価は私にとって大きな励みになりました。観客参加型という新たな試みに確信を持てた瞬間でした。
稽古を終えて-温かい仲間たちとの時間
稽古後の振り返りでは、演出担当の北大路が「ふわふわしたディレクションに対して、前田はすごい的確に動いてくれるし、中原は声も聞こえるし、希望通りの動きをしてくれる」と評価してくれました。
ユリアも「セリフ覚えが早い」と演者たちを褒めつつ、「アイデアマンタイプの彼らに、もっと提示してあげるべきだった」と自身の反省点も挙げてくれました。
こんな風に、お互いを思いやりながら成長していける環境があることに、いつも感謝しています。今回の稽古は、みんなにとって「パニックゾーンのレベルが下がっていく」ような体験になったと感じています。
9月公演への想い-あなたと創る特別な時間
私たち劇団天文座は、ラーニングゾーンでの挑戦を続けています。そしてその挑戦の先に、みなさんとの特別な時間があることを信じています。
9月公演では、あなたの声が舞台に響き、あなたの記憶が物語の一部になります。普段考えないことを考える機会を提供し、感情をよりダイレクトに深く揺さぶる体験をお届けしたいと思っています。
観客のみなさんの参加によって、「二度と同じ舞台はできない、毎回異なる演劇が生まれる」—そんなライブ感あふれる体験を、ぜひ一緒に創り上げましょう。
みなさんにとって「ワクワクとハラハラがある」特別な夜になることを、心から願っています。