【第4回 #日色読書会 レポ📖🌼】

日色読書会
作成日:
2025年11月22日 ⏰13:00~15:00
第4回【日色読書会】を開催いたしました。

当日は参加者2名と主催せつこ。含めた3名での読書会。

🌼今回のテーマは「みんなで読みたい短編小説集」です。
テーマ本紹介を行いました。

※当初はテーマ本紹介と課題本の選書を行う予定でしたが、
来年の活動予定にともない、選書は行いませんでした。
(参加者の方には開催前に活動内容の変更をお知らせしました。)

ここで小話……
短編小説集をテーマにした理由は、エッセイ先品を好んで読む私。本棚にはエッセイ作品が多くあるのですが、ふと小説に目をやると、長篇小説より短編小説の方が圧倒的に多い!と気づく。一冊の本で色々な話が読めるものが好きなのです。お得な感じがすると言いますか。最近はエッセイばかり読書が捗る私、短編小説を読みたい!知りたい!と思ったのです。

🌼自己紹介をかねた近況&とりあえずの主張タイムを経て、テーマ本紹介タイムへ……という時にちょっとした奇跡が!!

小話2つ目……
テーブルにそれぞれ紹介する本を置いたときに「あれ、私も津村さんの本を持ってきました!」テーブルに目をやると、津村記久子さんの本が2冊。「すごい!偶然ですね~」とみんなでほっこり和みました(笑)

🌼1人目『この世にたやすい仕事はない』津村記久子
お仕事系の作品が多い津村さん。この本は連作短編小説で主人公の視点で1話完結の話が5つ入っている。人物描写がリアル。作中に出てくる仕事はちょっと不思議だけど、
「私もその仕事で働いてみたいな~」とうらやましく思ってしまうくらい魅力的。本編にどうでもいいことが鮮明に書かれているユーモアさがたまらない。作者の方が好きなサッカーの話題が練り込まれているところも。人が仕事をすることについて書かれている部分はリアリティがある。描写のリアリティさと、浮世離れしたような仕事の寓話っぽさのバランスが良い。

🌼2人目『五年前の忘れ物』益田ミリ
益田ミリさんの小説集。益田ミリさんのエッセイやコミックを数々読んできて、小説も書かれていたというのを知ったのはけっこう最近のこと。最初は少しだけ益田さんのイラストのテイストが頭に浮かんでいたが、読み進めているといつしか物語に引き込まれていた。街のどこかでこの人物たちが本当に生活しているような、自分には絶対そんな出来事は起きないのだけども、実際に自分にも起きるような気になる。少しエロティックな台詞のやり取りが作中にあり、文章で読むこの話がもし漫画で描かれていたら生々しく感じてしまうのだろうか?と考えた瞬間も。この本にはあとがきではない。最後に益田ミリさんの漫画が読めるのも嬉しい本である。益田ミリさんの小説をぜひ読んでいただきたい。

🌼3人目『とにかくうちに帰ります』津村記久子
津村さんを知るきっかけになった作品。人間の描写が上手くて「こういう人いるよな~」と思わされる。“踏んだり蹴ったりな日”のちっちゃな事件を言語化してくれるので、思わず共感してしまう。「台風の日にバスに乗れなくて歩いて帰る」という日常のささやかなこともなんだかドラマチックに書かれている。津村さんは人間のモダモダを書くのが本当に上手いと思っている。本筋に関係ないようなツッコミが多いのも面白く、津村さんのエッセイで大阪出身の方でお笑い、サッカーが好きだというのを知り、だからクスっと笑えるひとことを書くのが上手いのだなと思った。どうでもいいことを話したい!ということがたまにあるが、それが書かれている作品。

🌼フリートークタイムでは、津村作品の話題からおすすおめ本、テーマ本の他に候補に考えていた作品や「本は紙の書籍派?電子書籍派?」の話題から電子書籍の活用法をレクチャー頂き、前回の日色読書会(俳句回)参加を機に購入したという歳時記の話題までとても楽しいブックトークとなりました。

\ご参加ありがとうございました!!/

🌼2025年12月:日色読書会の活動はお休み。

🌸年明け2026年1月~3月の日色読書会は「さくらももこ作品を読む」をテーマに開催予定です。4月に宮城県多賀城市東北歴史博物館で『さくらももこ展』が開催されるので、それに向けて読書会をしたい!と目論んでおる次第です。

来年の日色読書会もよろしくお願いいたします📖🌼