
ソロ活動報告⑧
どうも、主催者のキムラです。
今回は、土方歳三資料館で行われている土方歳三の愛刀「和泉守兼定」の限定公開を観に行きました。
幕末を駆け抜けた男の生き様に涙が止まりませんでした。
私は、土方歳三と聞くといつもある男のことを思い出します。
その男と初めて会ったのはまだ私が学生の時でした。
キャンパス内を歩くその男の異様な風体。学生の身でありながら教授と見間違うほどの圧倒的オーラ。
一瞬で私は釘付けとなりました。
男は言いました。
「俺、土方歳三の生まれ変わりなんだよね」
嘘をついているようにもふざけているようにも見えませんでした。
突拍子も無い妄言と思われても仕方がない言葉であるのに男の目には誠が宿っていたのです。
その瞬間、理屈ではなく私の魂が理解をしました。
「ああ、本当なんだ」と。
男には不思議な力があり、人の前世を言い当てることができました。
男の周りには、永倉新八、藤堂平助など名だたる新選組隊士の生まれ変わりが集まっていました。
そんな彼らと共にいるとまるで自分も一端の新選組隊士になったかのように思え胸が高鳴ったのを今でも鮮明に覚えています。
私は、幾度か男に自分が誰の生まれ変わりなのか尋ねようとしました。
しかし、いつも既のところで言葉がでてきませんでした。
もしも、自分が攘夷志士の生まれ変わりだったらこの素晴らしい人たちとの関係も終わってしまうのではないか、聞かずにいればこのまま楽しい時間を過ごせるのではないかと卑怯な考えが私の口を閉ざしたのです。
そんな私の考えを知ってか知らずか、いつしか男が私の前に現れることはなくなりました。
あれから約10年。
恥の多い人生ではありましたが、私なりに一生懸命生きてきたつもりです。
新選組の誇りを胸に最期まで戦い抜いた土方歳三とは比べるべくもありませんが、でも今なら胸を張って聞けます。
「教えてください土方さん、私は誰の生まれ変わりですか?」と。