第1回やまなし文芸倶楽部「課題読書会」活動報告
2025年11月3日(月・祝)
第1回やまなし文芸倶楽部「課題読書会」を
中巨摩郡・昭和町のカフェで開催しました。
今回は5名(主催者:1人 男性:2人 女性:2人)の参加。
課題図書を通して対話をしました。
ご参加いただきありがとうございます。
本日の課題図書
「キッチン」吉本ばなな
「家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくるーー。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが……。世界30ヵ国以上で翻訳され読みつがれる永遠のベストセラー小説。」
KADOKAWA裏表紙より引用
「キッチン」は表題作ほか、
その続編となる「満月 キッチン2」と
吉本氏の大学の卒業制作である
「ムーンライト・シャドウ」が収録された短編集です。
88年1月に福武書店から刊行されて以来、
91年10月に福武文庫で文庫化、
98年6月に角川文庫として文庫化、
02年7月に新潮文庫で文庫化し、
13年10月に幻冬舎で電子書籍化されています。
今回の読書会では
福武、角川、新潮の文庫本が揃い踏みでした。
月イチ読書会で2度紹介された作品
当サークルで毎月行なう読書会は
好きな本を紹介いただく「自由本式」ですが
この「キッチン」が二度現れたことをきっかけに
読了したことを共通項として
ひとつの作品について語り合う場を設けました。
結果、以前に読んだことのある人、
この読書会のために読了してきた人、
大切な一冊としてずっと心の中にある人、
実はちょっと入り込めなかったよという人、
それぞれの視点を持って
皆さま会場へと集まってくれました。
同じ作品を通して理解を深め視野を広げる
課題読書会は全員その作品を読了しているため
ストーリーをなぞっての感想、ネタバレも
自由にできるのが特徴です。
登場人物の言動や描写についてや
登場人物への共感、視点など
作品に思い切り触れながら感想を伝え合いました。
また作品が発表されたバブル期の
価値観や環境を想像しながら
当時と令和の今との作品の受け取り方の違いに
想いを馳せてみました。
逆にスマートフォンが手放せない現代で
「キッチン」のような物語は生み出せるのか
現代の創作の根本を見つめる時間もありました。
「キッチン」は過去に映像化もされているけれど
自分だったらここはこうしたい
ここはどう表現されるのかな
などの発想もみんなでしてみました。
同じ作品を読んだ者同士集まりましたが
それぞれ注目した場所や思い入れのある場面
ちがうところもあれば同じこともあり
同じ場面でも見方がそれぞれ違ったり……
伝えたいことを伝えあい
出てきた意見を取り上げたり
新たな関心へとつながったり。
あっという間に2時間が過ぎていきました。
次回の課題読書会の本を決めたい
自分からは選んでこなかった作品も
手に取るきっかけになる読書会。
自由本式はそんな本の「出会い」に
もってこいの読書会ですが
課題本式は締切効果もはたらいて
その世界を覗く「挑戦」ができるなと思います。
きっとまた課題読書会を開催します。
どんな本に出会えるかお楽しみに。
サークル活動に参加してみて楽しかった!
という人は「口コミ」の記入もお願いします!
それでは、また次回!




