誰に対しても笑顔で接し、ときに深い関係を結びながらも自ら別れを切り出す女性・ヒカリ。彼女の行為には軽々しさや非情さ、悲しみも感じられるが、同時にその眼差しやいたわりは暴力的なまでの癒しを与えてくれる。ヒカリとは誰だったのか、そして何だったのか。かつて彼女と同じ劇団に属し、日々を過ごしたメンバー達が、昔日の思い出を文章にして持ち寄る。
最初に説明しておくと、冒頭の「序に代えて」から既にフィクションです。ヒカリという女性の知人達が、戯曲や散文の形式で彼女への思いをつづり、その中で彼女の存在が浮かび上がっていきます。少し変わった形式ですが、平易な文章で綴られていますので、読みづらさは感じません。
ヒカリという女性の全体像は、読者それぞれで異なっていると思います。読書会では、そのあたりを披露し合ってみたいと思っています。皆様のご参加をお待ちしています。