【サークル活動報告】美術鑑賞サークル: 第24回美術鑑賞イベント(4/27)|社会人勉強コミュニティ

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皆様、こんにちは!美術鑑賞会のちーです。

東京自習会、美術鑑賞サークルにて、4/27(日)に新宿のSOMPO美術館にて開催中の「藤田嗣治 7つの情熱」展を鑑賞に行きました!

目次


1.サークルの概要
2.イベントの様子
3.感想
4.今後の活動予定
参加申込みはこちら!

1.サークルの概要


月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。

西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。

鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。

普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。

またサークル登録がない東京自習会コミュニティメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!

2.イベントの様子


今回は6人で活動し、観覧後は全員で新宿南口のサザンテラスでハンバーガーを食べながら語り合う楽しい会となりました!

藤田嗣治(1886-1968)はエコール・ド・パリと呼ばれた20世紀前半から戦後にかけてのパリで活躍した日本人画家です。

独特の平坦なタッチで女性像や子供を描き、日本よりもパリで評価された画家です。

今回はフランスやイスラエルの個人蔵作品を中心に、まとまった数の藤田嗣治の作品を一度に見ることができる貴重な機会でした。

戦後まで活躍した画家であり著作権保護期間中のため、今回は画像少なめでお届けします…!

第一章は自画像で始まりました。藤田嗣治は切り揃えたおかっぱの前髪姿が印象的ですが、これはパリに来て床屋に行くお金もなかった貧しい頃を忘れないよう、終生この髪型を貫き通したそうです。

数々の自画像は全てこのおかっぱ頭に丸メガネの姿で、如何にも画家らしい強い個性が主張されていました。

展覧会のポスターになっている1960年の《自画像》(フランス個人蔵) では、白髪となった藤田の背景に、晩年に作成した木版画シリーズの『取るに足らぬ職業は稼ぎが少ない』の子供達の作品が並べられています。これは、フランスの古くからの職業を一枚一枚、子供の姿で表した戯画的なシリーズとなっており、何やら不機嫌そうに誇張された表情の子供たちが低賃金労働をする、というパンクな作品となっています。

会場にはこのシリーズから古着屋、掃除人、トランプ占い師、ガラス売りをはじめ、放浪者や街娼という作品まであり、当時のパリの貧しい人々の暮らしに思いを馳せてしまいました。

子供って時にこんなふざけた表情をしますが、そんな滑稽さと藤田特有の絵本のようなテイストで描かれているおかげで、悲壮さがだいぶ抑えられ、まじまじと眺めたくなる作品群でした。

何やら不服そうな表情で仕事をする彼らについ共感してしまうと同時に、自分もここから脱出しなければ…!と何故か奮起してしまうパワーを感じる作品でした。

その他、会場には風景画、女性画などが続きましたが、個人的に印象に残ったのは子供を描いた作品です。藤田嗣治の描く子供たちは、みんな目力が強すぎます…!《雪中のフードの少女》(1929年、ベルギーYuコレクション)もその一例です。可愛いけれど、何故だか少し恐ろしさも感じてしまうような…子供って人をじっと見つめてくるから、私は思わず怯んでしまうのですが、ちょうどあの感じです。藤田は子供を自然に一番近い存在、と言って好んでいたそうです。時には自分の好きな猫と組み合わせて描きました。あの子供の眼差しの強さによって、自然の脅威や奇跡を鑑賞者である我々は感じてしまうのかもしれません。子供にじっと見つめられると、自分が子供に見透かされているような、見定められているような気持ちになるですが、それは子供からではなく、神や自然といったものに置き換えると納得がいくような気がしました。藤田の描く子供が少し怖いようにも感じるのはそのせいかもしれません。

3.感想


鑑賞後の振り返りでは、子供の絵が奈良美智を彷彿とさせる、という意見があり、確かにその通りだと思いました。

彼の絵も睨んでいるような子供の姿が特徴です。ナイフを手にする女の子の作品が代表的でそのパンクさが評価されていますから、藤田嗣治の子供はそこまでではないにしろ、似たような鋭さを感じます。 

また会場では最後の章に、藤田嗣治と同じ時代にパリで活躍した日本人画家達の作品が紹介されていました。はじめに川島理一郎の《パリの花市場》(1926年、丸紅株式会社)などが飾られていたのですが、その油絵らしいコッテリ感に驚いてしまいました!と言うのは、それまでの藤田嗣治の絵は、彼の特徴とされる乳白色で平坦なタッチのものばかりでそちらに見慣れていてしまっていたからです。そちらを鑑賞している間は、作品のモデルはみな西洋人ばかりで、描いているのは日本人画家という事をあまり意識していませんでしたが、他の画家の作品と比べてはじめて、落ち着いた色彩で平坦なタッチで描かれる藤田の作品は日本らしい特徴があるのだと気づきました。例えるならコッテリした西洋料理に対し、藤田嗣治の作品は和風おろしハンバーグのようだと思います笑

表現形式である味付けだけが和風というような和洋折衷の良さが、日本よりパリでウケた理由なのかもしれません。 

展覧会の後では参加者全員でハンバーガーを食べながら、美術やその他の話題で盛り上がりました!大学院生の方がいたので、生命の誕生や宇宙についてまで話が及び、すっかり忘れていた学問への興味が少し取り戻せた気がしました笑 

色んな方と出会って良い刺激を受けられるのが自習会の良いところですので、美術鑑賞サークルにも皆様ぜひご参加ください♪

4.今後の活動予定


・5/25 東京都美術館 ミロ展 
・6月または7月 三菱一号館美術館 ルノワール・セザンヌ展 (予定)

※変更になる可能性があります

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