【サークル活動報告】美術鑑賞サークル: 第23回美術鑑賞イベント(3/20)|社会人勉強コミュニティ
皆様、こんにちは!
美術鑑賞会のちーです。祝日の3/20(木)にサークル23回目の活動として、上野の国立西洋美術館にて開催の「西洋絵画、どこから見るか?-ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 VS 国立西洋美術館」展を鑑賞に行きました!
目次
1.サークルの概要
2.イベントの様子
3.感想
4.今後の活動予定参加申込みはこちら!
2.イベントの様子
3.感想
4.今後の活動予定参加申込みはこちら!
1.サークルの概要
月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!
2.イベントの様子
久し振りに定員いっぱいの7人で活動しました!
会場は大きく4章に別れており、ルネサンス、バロック、18世紀、19世紀と時代順に西洋絵画の歴史を追いかけていく構成となっていました。
今回はアメリカのサンディエゴ美術館と国立西洋美術館とのコラボ展示ということで、同じ画家の二つの作品が並べられ、見どころの解説がされていました。カリフォルニアのサンディエゴはスペインからやってきた人々が多かったということで、スペイン人画家の作品が多めに展示されていました。作品数は他の展覧会と比べると若干少ない印象でしたが、その分解説が充実していました。
展覧会のポイントとしては作品が全て撮影可能ということです!解説も写真に撮って後から振り返ることができるのは有り難いです。
全員の自己紹介と感想発表後は、希望者5人で上野の精養軒でランチをしました!
精養軒は明治時代創業の洋食屋さんということで学生時代からずっと行ってみたかったのですが、サークルサポート費が使えるという事で今回初めて行くことができました!
明治の創業当時からだという美味しいデミグラスソースのオムライスやハンバーグを皆で食べながら、ITに詳しい人が多かったため、AIの活用についての話で盛り上がりました。上野公園内での道中も皆初対面ながら、色々な話ができて楽しかったです。
13時に解散となりましたので、その後は引き続き常設展を見たり、勉強したりと思い思いの午後を過ごし、休日をフル活用できました。
3.感想
まずはルネサンスから。ジョット、フラ・アンジェリコ、ジョルジョーネ、ティツィアーノと、西洋美術好きなら外せないルネサンスの巨匠作品が一度に会していてとても豪華でした!
と言いつつ、取り上げたいのはカテーナという画家の《聖家族と聖アンナ》(1520年頃、サンディエゴ美術館)です。
こんなにリアルにキリストを頬ずりするマリアを見たのは初めてです!頬を寄せる聖母子像自体はいくつも見た事がありますが、威厳を保つためか何となくマリアの表情が固いものが多い気がします。それに対してこちらの作品のマリアさんは本当に幸せそう。膝の上で動くキリストをガッチリと抱いているところもリアルです。養父ヨセフの眼差しもとても優しいですね。一方割と無表情なマリアの母アンナもスナップ写真みたいでリアルさをより増しています。解説を読むと、実はマリアも母アンナの膝の間?に座っているそうです…!マリアさん甘やかされてますね…!
ルネサンスは中世の神中心の世界観から人間性に焦点が当てられるようになった時代ですから、このような親しみを感じる家族団欒の様子が聖母子、聖家族像にも反映されるようになったのですね。
続いては展覧会のポスターにもなっているフアン・サンチェス・コターンの《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》(1602年頃、サンディエゴ美術館)
このような厨房にある物を描いた当時のスペインの静物画は特にボデゴン(厨房画)と呼ばれます。その創始者とされる彼が描いたボデゴン最高傑作がこちらの作品。
真っ暗闇の中に、恐らく当時のスペイン人も口にしていたであろう食材が並べられています。左のマルメロとキャベツは糸で吊り下げられているが、影がないと解説にありました。吊り下げられているのは保存のため、それぞれの果物には例えばマルメロなら豊穣、キャベツにも同じような意味が込められている…と見ることもできますが、恐らく意味深な何かはないか、あっても後世の私たちには伝わっていないようです…謎ですね…なかなか鑑賞の難しい作品だと思いました。このような神秘性を帯びた静物画が生まれたのは、コターンが後に修道士になったことが大きく影響しているみたいです。一世代下のスルバランはコターンのこれらの作品をリスペクトして同じようなボデゴン画を生み出していることから、当時のヒット作品だったことが分かります。ちなみに、静物画以外も描いたよ、という事で「メロンとキャベツ、さらに聖人画も描きました」というお茶目なキャプション付きの別作品もありました。
横にスルバランの《神の仔羊》(1635-40年頃、サンディエゴ美術館)があり、こちらの方が分かりやすいですね。ちなみにこのタイトルで検索すると、スペインのプラド美術館所蔵の角のあるバージョンの《神の仔羊》が出てきます。「神の仔羊」とは、人類の罪を贖って十字架に架けられたキリストを、神への生け贄としての仔羊に例えてそう呼びます。子羊・仔羊、どちらの表記でも間違いではなさそうですが、仔は特に動物の子供を意味して使い分ける場合もあるそうです。頭上にある光輪は聖なる人物を表すため、ここではダイレクトにキリストを指しています。真っ暗闇に輝く光輪は、実物を見ると本当に繊細で、神聖さと同時に儚さも感じられました。クリスチャンでなくとも、可哀想な仔羊を憐れんでしまいます。聖書の昔から人類は皆、迷える仔羊に例えられますから、自分と重ねて感傷に浸るのもありかもしれませんね…!
最後に取り上げたいのは、最終章19世紀の章にて、子どもを描いた画家2人の作品です。
まず印象派のアメリカ人画家、セオドア・ロビンソンの《闖入者》(1891年、サンディエゴ美術館)です。闖入とは「突然、無断で入ってくること」…こんな可愛い闖入者ならいつでも大歓迎ですね!手に持っているのはさくらんぼ、お隣の子どもが摘み食いにでも来たのでしょうか?解説では垣根、に注目してピサロの描いた作品と比べてみましょう〜とありましたが、正直そんなのどうでもよくなるくらい、ひたすら愛らしいですね。ちなみに垣根は、「鑑賞者と男の子との距離を限りなく接近させて、緊張感のある対峙を演出」しているそうです。そう、女の子の格好をしているけど実は男の子!というのは、洋の東西を問わず乳幼児死亡率の高かった昔の子どもあるあるですね。
最後はスペイン人画家のホアキン・セビーリャの作品3点です。《ラ・グランハのマリア》(1907年、サンディエゴ美術館)、《バレンシアの海辺》(1908年、サンディエゴ美術館)、《水飲み壺》(1904年、国立西洋美術館)。
どれも人の背丈を超えるような大きな作品であることに加え、スペインのキラキラとした陽光がとても眩しく感じられました。ちなみにここまで日差しの明るい絵画は、近年では印象派というよりアメリカ発祥のルミニズムと呼ぶこともあるみたいです。この時代はどうしてもモノクロ写真のイメージなのですが、100年以上前の世界をiPhone越えの鮮やかさで目にできるとは、とても新鮮でした。セビーリャは男性なのですが、両親を2歳で亡くしたことから子供の絵を多く描いたそうです。当たり前と言えばそうなのですが、画家の人生が作品に反映されている事を思い起こさせられました。
最後に今回は、今まで知らなかった画家の作品に注目することができました。セビーリャの作品が特に気に入ったので検索したところ、スペインの眩しい陽光に待ちた絵画がズラリとならび、100年前以上昔とは思えない光景が生き生きと目の前に現れたことに驚くほどでした。皆様も展覧会に足を運んだ後は、一人だけでも気に入った画家の名前を覚えて検索してみると更なる楽しみがあるかもしれません!そういえば、展覧会の最後にはこういった美術館では珍しく、感想を紙に書いて貼るコーナーがありました。まずは気に入った作品を見つける事が第一歩ですね!
4.今後の活動予定
・4/27 SOMPO美術館 藤田嗣治展
・5月または6月 東京都美術館 ミロ展 (予定)
・6月または7月 三菱一号館美術館 ルノワール・セザンヌ展 (予定)
・5月または6月 東京都美術館 ミロ展 (予定)
・6月または7月 三菱一号館美術館 ルノワール・セザンヌ展 (予定)
※変更になる可能性があります
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